ウカネッツ周辺の森に存在する未発見のエロダンジョン(正確には大木の洞の中にある砂地獄とその奥)に住む淫魔。
アリジゴクに似た特徴の肉体を持ち、普段は人間に見つからないように地下で養殖した触手から魔力を吸い上げているが、
その味に「飽きる」と洞の外にこれまで捉えてきた犠牲者の私物(お金や武器など)を捨て、次の獲物を誘き寄せている。
他の淫魔と同じく交わることで相手の精気や魔力を吸うが、トリオンの場合はまず物理的に相手を打ち負かすことを好む。
精も根も尽き果て、満足に抵抗できなくなった“餌”を優しく労り、丁寧に装備を剥ぎ取り(次の獲物を誘き寄せる道具になる)、
罵倒や懇願の言葉を一通り聞き終わってから陵辱し尽くすのが彼女にとって最大の悦びであり、最高の愉悦だからだ。
親兄弟や恋人の名を呼ぶ悲痛。必ず復讐してやるという憤怒。望まない快楽に震えながら、必死に抗おうとする感情の振れ幅が大きい程に、
トリオンはその獲物が息絶えないように手厚く持て成し、時に触手たちも交えて享楽の日々を過ごす。
――そして獲物の心が完全に壊れた時。彼女は一切の興味を無くして、再び次の獲物を待つ日々へと戻っていく。
【リンネとの因縁】
とある父親は考えた。妻の死後、まだ物心の付かないほど幼い娘との生活費を稼がなければ。
珍しい薬草でも採れないかと、いつもより森の奥へ出かけ――落ちていた衣服に気を取られた彼は、運悪くトリオンに捕まってしまう。
必死に抵抗するも敗北し、数年間に渡る陵辱の日々の中で最後に考えられたのは亡き妻と家に残した娘への謝罪。2人の元へ帰りたいという強い思いだった。
そして、ダンジョンの魔力とその願いが結び付いたかのように。未だ成仏できなかった妻の霊が守護霊へと変じた。
彼女は夫を通じて彼と淫魔の間に生まれた幼体触手=謎の蛇へと憑依、トリオンの隙をついて砂地獄を必死に登り、洞の外へ脱出する事に成功したのだった。
そして偶然にも再会した娘=リンネに絞殺されそうになるも淫卵を通じて憑依先を変更、現在に至る。
つまりリンネからすれば父親の仇、謎の蛇にとっては片親に当たる(なお本人たちは知らない)。